
赤外線カメラは本来軍需目的で第二次大戦前に暗視カメラとして開発が進み、アメリカは戦車搭載、狙撃手の暗視スコープ、ドイツは戦車搭載の暗視装置として開発がスタートしました。
当初暗視装置は光を増幅させる方法と絶対0度(-273度)以外の物体から放射される赤外線という電磁波を捕捉し立体的に画像化する技術との二つの技術が有り、後者が赤外線調査の前身となります。
光を増幅させる暗視方法は少しでも光源が無いと暗視できないのと照明弾を発射されると視界が無くなってしまうデメリットがありましたが、赤外線は100%光が無くても暗視が可能なのと同時に、暗所でカモフラージュしていても温度差で敵を捕捉できるメリットがありました。
冷戦時代にアメリカがスパイ衛星からソビエトの潜水艦の動向を探る為、赤外線カメラで海面を撮影しソビエトの原子力潜水艦の炉心を冷却する熱くなった冷却水が海面のどこに有るかで潜水艦の位置を特定するのに使用されていました。
約25年ほど前に日本の建設業界でも赤外線カメラが導入され始め、大手建設会社の研究所にはほぼ配置されるようになりましたが、当時のカメラは総重量100キロ前後でカメラ、レコーダー、センサー冷却ガスのボンベ等が必要で、3~4人の男性でやっと移動できる位の重量と大きさでした。
加えて赤外線カメラの金額が2,000万円から1,800万円と高額な為一般建設業者が購入できない金額で、なおかつアメリカ製のカメラは軍需機密技術なのでアメリカ国防総省、商務省、内務省の輸入許可が必要となり一般の建設業者が購入するは大変困難でした。
8年ほど前に小型カメラがアメリカの赤外線カメラメーカーや日本のNikonから発売され始め重量も1キロ前後、輸入許可申請も廃止され購入は以前に比べあまり困難ではなくなりなしたが、メルセデスベンツ1台購入するのと金額的に変わらない大変高価なカメラであることは変わりなく、世間一般では未だにあまり知られて無い調査方法であることに変わりありません。
赤外線カメラの100分の6度の温度を画像表示できるカメラを調査で使用します。(カメラ単体の癖としてゲイン7まで温度を絞り込んだ場合、赤外線画像右上が低温域の温度分布となり、その部分は別判断します。)
機種名
NikonLEIRD―S270 [型名:CKJ―A01]
仕様
•検出器(ディテクタ):PtSi(プラチナシリサイド)ショットキーバリア型
•総画素数:約27万画素(水平537×垂直505)
•有効画素数:約21万画素(水平475×垂直442)
•検出波長帯:3~5μm
•測定温度範囲:-20~+250℃
•NETD:0.06℃
•冷却方式:スターリングクーラー
•画像表示:1)カラー256/16階調、2)グレー256階調
•フレームレート:1/30秒(フィールドレート1/60秒)
•視野角:水平19.4度×垂直14,5度(21mm/F2標準レンズ使用時)
•撮影距離:50cm~40m(21mm/F2標準レンズ使用時)
•電源電圧:12VDC
•消費電力:50W
•寸法(W×H×D)約:100×120×165(本体のみ、突起部除く)
•重量:2.5kg(本体のみ、オプション無し)
•使用環境条件:摂氏0~40度、30~85%RH